配当貴族 花王の株主還元
日本有数の優良企業の花王
洗剤や衛生用品などの生活必需品メーカーで、事業は安定高収益を誇っています。
近年はアジア地域を中心に海外へ展開しています。
そんな花王ですが、投資の世界では連続増配記録1位の銘柄として有名です。
・花王の配当実績
※花王HPより
2019年度で30期連続増配を達成しました。日本企業では断トツの連続増配記録です。
2020年は配当金140円と、10円の増配を予定しています。
コロナがあっても業績好調なので、この予想もほぼ間違いないと考えています。
連続増配をしている企業の中には、連続増配だけを意識し、ちまちま少しずつ増配している企業もありますが、それとは違い花王は増配率も素晴らしい。
ここ10年で配当金は2倍以上に成長しています。
そして、純利益に対する配当金の割合を示す配当性向は、40%ほどで、まだまだ配当金を高くする余裕があります。
花王の経営方針として、配当性向は40%を目安としています。
実績も概ね経営方針通りの数値になっています。
つまり「配当増加率≒純利益増加率」と見ることができます。
先ほどの配当金のグラフは素晴らしい右肩上がりでしたが、その傾向は純利益も同様だということです。
安定した大企業でありながら、素晴らしい成長を長年続けています。
・自社株買い
花王は大規模な自社株買いを行い、株主還元をしています。
下のグラフのように、継続的に自社株買いを行い、株主が保有する株式の価値を高めています。
ここ2年は500億円もの自社株買いを行いました。
だいたい配当金と同じぐらいの金額です。
おおざっぱな計算ですが、現在の配当利回りは約1.5%です。
連続増配は素晴らしいですが、1.5%だとやや物足りないと感じてしまいます。
しかし、そこに自社株買いを含めて株主還元利回りで考えると、約3%にもなります。
このように考えると、素晴らしい投資対象に見えてきます。
※花王HPより
・花王の業績予想
花王はコロナウイルスの影響で、しばらくの間社員に出社禁止命令をするなどしたため、研究開発などで大きな遅れが出たと予想できます。
しかしながら、人々の衛生意識の高まりにより、業績は好調。
経済活動は再開され、大きな心配はなさそうです。
長期的な視点で見ると、まず国内市場では、圧倒的なブランド力と消費者の生活に長年浸透してきた商品ばかりなので、今後も安定し、大きく崩れることは考えにくいです。
そして成長事業として、アジアを中心とした海外市場で、シェア拡大を目指しています。
うまくいけば、アジア圏での急速な経済成長の恩恵を受けられるでしょう。
今のところは中国やインドネシアで順調に売り上げを伸ばしているようです。
しかし国内とは違い、P&Gやユニリーバなどの世界的大手メーカーが強力なため、競争は熾烈です。
誰もが知っている製品を作っている花王。
使っている人なら、その製品の良さを実感しているはずです。
まさにワイドモート銘柄
さらに株主還元に積極的とくれば、かなり魅力的な投資対象に感じます。
私は、ずっと狙っているのですが、株価がやや高いと感じて買っていません。
コロナショックの時に買えばよかった。
「千年投資の公理」に書かれている、長期的に優位性を保ちやすいワイドモート銘柄の条件を満たしていると思う。