お金の心理学 保有効果
メルカリで、価格を十分安くしているのに売れない
保有株が、自分が考える適正株価まで上がらない
多くの人が、こんな経験をした事があると思います。
それは「保有効果」が原因かもしれません。
・保有効果とは
・保有効果にまつわる調査・実験
・保有効果が起こる理由
・解決法
・保有効果とは
保有効果とは、自分が所有しているものは、高く評価する傾向があること。
・保有効果にまつわる調査・実験
1.ダニエル・カーネマンの実験
行動経済学者ダニエル・カーネマンが行った実験では、保有効果の影響力の大きさがはっきり現れています。
被験者をAグループとBグループに分け、Aグループの被験者に1つずつ、6ドルのマグカップを渡します。
そしてAグループに対し、
「Bグループに、このマグカップを売るとしたら何ドルで売るか」
Bグループに
「マグカップを買うとしたら何ドル払うか」
と問います。
すると、それぞれ
Aグループ:7.12ドルで売る
Bグループ:2.87ドルで買う
と回答しました。
保有している方が、保有していない人より、マグカップの価値を2倍以上高く評価したのです。
2.住宅価格に関する調査
2007〜2008年、サブプライムローン問題とリーマンショックにより、アメリカの住宅価格が急激に落ちました。
その2008年にアメリカで持ち家所有者に対して調査が行われました。
調査対象者の92%が、地域の不動産市場に差し押さえ物件が増えていると回答し、そのせいで近隣の住宅価格が下がることを危惧していました。
そして82%の人が、しばらくは不動産市場が回復しないだろうと回答しました。
しかし、62%の人が自分の家の価値が上がっている、もしくは変わっていないと回答しました。
・保有効果が起こる理由
なぜ、このような不合理な判断をしてしまうのか。
その理由として、
・所有することで、愛着を感じる
・手放すことで手に入る物より、失うものに注目する
・愛着やおもいでもある自分と、他人も同じ視点を持っていると思う
・解決法
残念ながら、保有効果に対する有効な解決法はありません。
少しでも対処するために、「保有効果」という心理現象の存在を知っておくことが大切だと思います。
できるだけ余計な出費を避けるために、
服の試着
車の試乗
化粧品のお試し
などを安易にしないことが効果的かもしれません。